では、2011年3月11日に発生した東日本大震災をSidereal Zodiacで、再検証しよう。まず、日本の出生図作成の段階から解説したい。
平成時代に入ってから、日本の誕生日は1989年1月8日となる。アセンダント(ASC)の配置について、本来、平成元年当日の日出時刻06:52に基いて、ASCの位置を人馬宮/いて座に置くべきだが、そうすると、平成時代のバブル崩壊、慢性的なデフレ、失われた20年の現象、高齢化社会の現象、大企業の系列倒産等々を説明できなくなる。わたし流のレクティファイ方法(Birthtime Rectification)では、強いて09:30前後若しくは06.52+日本とインドの時差3.5時間=10.22を日本の出生時間にしたい。つまり、09:30 ~ 10:22 の間ならOKだと思う。なぜ、3.5時間をたすのかというと、サイドリアル式(インド・ジョーティッシュ)の占星術ソフトを用いるからだ。なお、元号法に基づき、同年1月7日午後14時36分、内閣官房長官・小渕恵三が記者会見で平成改元を発表したが、インターネット時代ではなかった当時の改元ニュースをほぼ全世界に知せられるようになったのは、翌日09:30以降。それは、平成時代の日本の正式的な誕生時間だと思う。平成時代の日本史を考慮したうえで、09:34をNIPPON出生時間にしたい。したがって、日本のNatal Chart は添付図の通りであり、アセンダントは、双魚宮/うお座となる。うお座は黄道十二宮の最後の星座であり、水のエレメントを有し、超センシティブな国民性かつ冬の終わりをも象徴している。ブッダの生老病死の「四苦」を取り上げると、うお座は、「死」に相当する。だからこそ、高齢化社会の時代かつ大手企業のビジネスサイクルの飽和時代を迎えたのだ。
うお座の影響を受けた平成時代を生きる日本人は、繊細で真面目だが、打たれ弱く、引っ込み思案になりがち。特に若者たちは内向的なタイプが多い。良い面は、誠実で人に尽くすことが好き。人を助けられるような職業が向いている。うお座の影響を受けた平成生まれの若者にとって、看護師や介護士が適職である。日本国のASCをうお座に置くと、合理性をもって、今、繁栄している介護ビジネス(介護職ブーム)を説明することができる。
では、2011年3月11日午後2時46分東日本大震災発生時、マレフィック土星がASCに対し、ちょうど180度のオポジション・アスペクトを形成した。これが大惨事や衝突を引き起こす直接要因となった。
なお、地震発生時、複数のトランジット天体(9,5,4,0)がASCと同じハウスに侵入していた。中には天王星に焦点を当てたい。天王星は、準マレフィックで、吉凶混合の性質を持つ惑星だ。ポジティブに働くと、新しいアイデアやユニークな発想に恵まれ、何らかの分野で先駆者となるが、ネガティブに働くと、自己破壊的な衝動が生まれる。凶星である天王星の意味について、突発的な変化、緊張状態、風変わりのほか、爆発性かつ近代的な発電所をも意味するのだ。東日本大震災発生時、マレフィック天王星(0, Uranus)がASCに非常に接近していて、ほぼ0度のコンジャンクション・アスペクト(合)を形成した。この角度だからこそ、悪影響のピークであった。
次に悪い影響を与えた天体は、木星(5, Jupiter)だ。当時、トランジット木星が8度位ASCより離れていて、ぴったり「合」の状態になっていないが、本質的にベネフィックである木星が2011年のタイ旧暦によると、「仏滅」のステータスに切り替えたのだ。それ上、当時の木星の動きも狂った。順行のコースを取ったものの、通常より早いペースで軌道を回った。これは、Rapid Prograde Rotation という。タイ古代占星術では、とても望ましくない状態だ。上述したのはマレフィックに変身した木星による悪い影響である。それに、促進因子の機能を持つケートゥ(9, Dragon Tail, アクセル機能)もASCと同じハウスに入った。各々の天体(特に5,0,7)の悪さを拡大したわけである。
ASCって、人間の頭部にたとえられる。頭上に複数の星のエフェクトが同時に現れたら、当然、動きも制限されるし、頭痛の種になるのだ。原発事故発生後、放射性物質による環境・食品・人体への影響、社会的・経済的影響、住民の避難および風評被害等々は、凶星エフェクトの天体に伴う後遺症でめまいを残すことだと言える。
用語:1.ASC= 誕生時の星位; 運勢 2.ベネフィック= 吉星 3.マレフィック= 凶星 4.トランジット=経過という意味で、占い対象のある一定時間の天体配置を指す。 5.Sidereal Zodiac= 占星術の一種。サイドリアル方式の天文暦を用いて、出生図を作成。実際の恒星の位置を基準とした十二宮/ハウスの中に回ったトランジット天体で占うので、的中率が大。インド、タイ、ミャンマでは一般的であるが、日米欧の場合、トロピカル方式の占星術が主流だ。